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もちろん転送された先はシャークの真横。
『……なるほど、戦いは避けられないと理解しているのですね。それも面白い』
よし、ここまでは作戦成功だ。
それにしてもポルン、まだ何か秘密を隠していたんだな。
謎の多いトナカイだ。
哲二も前に出て提案をした。
「ここで戦うわけにはいかないでしょう。僕らは逃げません。場所を変えてもらえませんか?」
『……構いませんよ。そこで戦うのであれば』
右手を挙げ何かのスキルを発動するのか、手元が歪み始めている。
『シャーク、面白れーもん見せてやるって言ったのはハッタリじゃねーぞ。200GPだ』
何だかんだ言ってもポルンは、オレ達の為に尽くしてくれている。
もし生きて返ってこれたら、動物図鑑でも買ってやるか。
『……200GPもですか? 貧乏人の貴方が珍しいですね。受けましょう』
そう言ったシャークは、スキルを発動させた。
【ゾーン・ターゲット】発動。
部屋全体に魔方陣が出現。紫色のオーラが立ち上り辺りを包み込んだ。
凍夜のスキルと同じだが、発動速度は段違いに早い。
『負けんじゃねーぞっ!』
ポルンの叫びが遠くに聞こえている。
――紫色の魔法陣が発動した。
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