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オレと同じく修司も状況を理解できていない。ダメージはないようだ。
他の皆も立ち上がるが、事態を把握できていなかった。
哲二が口を開く。
「もしかしてあの剣、特殊能力がスキルを破壊もしくは吸収するものなのかも」
シャークは七色に輝く剣を顔の前に掲げ眺めだす。
『……その通りです。面白い剣です。ただ、これを手にする条件がミッションの強制参加なんですがね』
もし、今の攻撃がシャークの腰に下げている数珠丸だったら、全員死んでいた。
この男に挑むことは無理だったのか。
――違う! オレ達なら……
頭に浮かぶ否定的な意志を振り払う。
『……いきますよ』
感情のこもっていない低い声が聞こえたと思った瞬間、
【開鍵】破損。
【オール・ホワイト】破損。
【姫】失敗。
オレンジ色の残像が縦横無尽(じゅうおうむじん)に駆け巡る。
「おいっ、そっち……うわっ」
【ブラック・ボール】失敗。
【捨身】吸収。
【枝垂】破損。
「――きゃあああ!!」
「柚葉、下がっ……」
次々と失われていくスキル。
やがて鮮やかな残像が消えていった……
スキル【師走】が消えたのか?
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