エピローグ(神田 修司)

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『お前は何で剣を握ったんだ?』 いきなり何を? 意味が分からねーぞ。 「そこに剣があったからだ」 『どこかの登山家かよ』 『そうじゃなくて、なんで最強の剣士を目指したんだ?』 そういうことか。チェンには隠せねーよな。 「本当は何でもよかったんだ。別に剣じゃなくても」 あくまでも剣は手段だ。俺様の目的は違う。 嬉しそうに笑ったチェンはゆっくりと腰を下ろした。 『じゃあ、俺と"同じ"だな』 「ま、真似してんじゃねーよ!」 死んでも口には出せないけどよ、なんかここに来てよかった。 俺は馬鹿だから、間違ってるのかもしれねー。 でも、普通の高校生活じゃ手に入れられないモノを得られる気がするんだ。 ただ…… それを、胸張っていつか自慢するには、クリアして、さらに全員を助けなきゃならねーよな。 理屈なんかは知らねー。 でもよ、必ず出来る気がすんだ。  ――全てのプレイヤーを       俺様が守ってやる 「チェン、お前の妹は名前なんて言うんだ?」 仕方ねーからお前の妹も救ってやるよ。 『あっ!? お前だけにはやらねーぞ。それに俺の妹は小学生だぞ、このロリコンがっ!』 「だぁー! ち、違う。そうじゃねーんだっ!」 立ち上がったチェンは槍を振り回し打ち付けてきた。   「チ、チクショー!」        神田 修司 Fin.
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