エピローグ(神田 修司)

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ブレる切っ先を予測し、ぎりぎりで右に回避する。 戻す槍に狙いをつけて、跳ね上げた。 カーンという甲高い音。 跳ねあげた勢いを上へと反らしながら下から柄で突きを放つ。 『お前……』 柄の先端は、チェンの顔寸前で止まっていた。 「槍もコツ掴んじまえば楽勝だな」 胸の辺りに何かが当たっている。 「げっ!! いつのまに……」 よくみるとそれはチェンの左手に握られた槍。 跳ね上げたはずじゃねーか。 『何が楽勝だ。まだまだじゃねーか』 クソッ、やっと一本取れたと思ったのによ。 最近、俺様がチェンに稽古をつけてやっている。 まだ一本も取れねーのが悔しいけどよ。 「お前、何で葉山雷斗の所に戻らねーんだ?」 チェンは一緒に来ないかと誘われたらしいが断ったそうだ。 裏切ったことを気にしているのか? 『戻るさ。だけどお前に教えることがあるからな。それが終わったら戻るつもりだ』 「俺様が学ぶことなんかねー! 早く戻ってやればいいじゃねーかよ」 迷いのない顔でチェンは答えた。 『――ケジメだ。男には色々あるんだ。お前もそうだろ?』 けっ、語りやがって。
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