最終の間

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凍夜はオーラを集めているが、転位系のスキルなんか間に合う訳が無い。 【ホワイト・エリア】発動。 白い防御系のスキルが広がった。 諦めスキル発動を止めた凍夜は、はいつくばって結月をかばう様に前へ出た。 『俺は死んでも守るんだっ!』 「やめて、アーツゥゥゥ!!」 悲痛な叫びに反応して雷斗さんも走り出す。 もちろんメディがその隙を見逃すはずはなく、レイピアを振り上げながら跳び上がった。 最悪な状況だ。 黒い力の塊は明王へと変化を遂(と)げていた。 巨像の足元は黒い闇に包まれアーツの姿は確認できない。 愛染明王の正面には凍夜、結月。その後方には助けようと駆ける雷斗さんが一直線に並んでしまっている。 ――ぜ、全員が死ぬ…… ルークが発した嘲笑(ちょうしょう)の声が神殿内に響いた。 『貴方達は、ここで死んでしまう運命なのです』
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