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巨像の弓には、あの太い光線のような矢が完成された。
防御スキルで防げる技ではない事を、本人達が一番よくわかっている。
それでも凍夜は両手を横にして、結月の前に立った。
なんて信念が強いんだ。この想いの強さ故、三年後に悲劇を起こすのか。
しかし……この状況は、オレの知っている事実と違うじゃないか!
そう思ったとき、巨像の足元から聞き慣れた声が……。
『神殿だけに……
死んではいけませんよね』
――この声はアーツ!?
愛染明王の弓は微妙に角度を変え、一気に放出された。
その狙いはメディ。
唸るような轟音をあげながら直線を描く。
雷斗さんは、滑りこむように前方へダイブし回避。
完全に虚を突かれたメディは、無表情だった顔を初めて歪ませながら、瞬く間にレーザー光線に飲み込まれていく。
この破壊力ではどんな防御スキルも無意味だ。
数秒間続いた攻撃が止み、粉塵が舞う。
目を凝らして確認するが、そこにはメディの姿は無かった。
『お前……! 弓使いがなぜ! 呪いは……』
動揺を隠せないルーク。
それにしても、狂戦士の呪いはどうなったんだ。
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