最終の間

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打ち抜かれたアイテムを拾い上げ、それが使用不可能だと理解したルークは乱暴に放り投げた。 『回避不可のベルが、一度鳴りましたので数分間はここから脱出できません。 つまり……呪いは発動します。 結局は、私かお仲間のどちらかに殺される運命なのです』 「そんなことはさせない!」 水色の髪をなびかせ、神剣に想いを込めるのはリーダーの結月。 その女性を守るように前に立つ、アーツと凍夜。 「――てめぇ、覚悟しろよっ!」 もちろん、雷斗さんはルークへと突っ込んでいった。 何を言われようが、決して揺るがないホープのメンバー。 だけど……。 『最初に申したように、この世界はもう先に進む事ができないのですよ。 それでも戦(や)るのですね?』 こいつの言うとおりだとしたら、クリアに必要な三つのアイテムのうち一つがこの世界にはないんだ。 最初っから、絶望しかないじゃないか。 だとしたら、  ――オレ達は、      一体何の為に…… 【召喚(禁)】発動。 ルークを中心に、半径10m以上はある巨大な魔法陣が出現した。 「雷斗、待って!」 魔法陣から溢(あふ)れ出る黒いオーラに、雷斗さんは阻(はば)まれ前には進めない。 『この召喚スキルを使用してしまったら確実に影山様に知られてしまいます。 しかし、ここで逃すよりは……ましですから』 ゲームクリアの希望が断たれただけではない。 あと数分で狂戦士になってしまうアーツ。未だ、実力を隠しているルーク。それに、禁じられた召喚スキル……。 ――絶望。 この単語が、オレの心に黒い影を落としていく。
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