最終の間

2/20
前へ
/34ページ
次へ
再び、時の回想に導かれたのは神殿大広間。 左右にはずらっと並ぶ支柱。その間には赤い絨毯が敷かれ、どこまでも続いていた。 絨毯といってもその幅は20m以上はある。とてつもないスケール。 「俺達が一番乗りらしいぜ」 そう呟いたのは雷斗さん。 すぐ後ろで、辺りを警戒している凍夜は相槌(あいづち)をうっていた。 二人同時に気配を感じたのか、左後方の扉に振り向く。 ガタンという音と共に、開いた扉から出てきたのは結月。 「ごめん、アーツが罠に掛って……凍夜くん、スキルでどうにかできない?」 走ってきたのか息を切らせながら、まくし立てるように状況を説明しだした。 「無理じゃねーか。この扉一方通行みてーだぜ」 扉に近づいた雷斗さんは、ドアをガンガン蹴っていた。 『アーツさんなら大丈夫ですよ。変な事ばかり言ってますが実力は本物ですし、もう少し待ってみましょう』 凍夜の言うとおり、狂戦士の呪いには掛ってしまってはいるがアーツは無事だ。遅くても十五分程度でくるはず。 それより、シャークはどうなったんだろ。雷斗さん達の"時の流れ"からして、蜘蛛と戦っている辺りか。 もしくは、三人のGMらしき人物と交戦中か・・・・・・。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

620人が本棚に入れています
本棚に追加