620人が本棚に入れています
本棚に追加
再び、時の回想に導かれたのは神殿大広間。
左右にはずらっと並ぶ支柱。その間には赤い絨毯が敷かれ、どこまでも続いていた。
絨毯といってもその幅は20m以上はある。とてつもないスケール。
「俺達が一番乗りらしいぜ」
そう呟いたのは雷斗さん。
すぐ後ろで、辺りを警戒している凍夜は相槌(あいづち)をうっていた。
二人同時に気配を感じたのか、左後方の扉に振り向く。
ガタンという音と共に、開いた扉から出てきたのは結月。
「ごめん、アーツが罠に掛って……凍夜くん、スキルでどうにかできない?」
走ってきたのか息を切らせながら、まくし立てるように状況を説明しだした。
「無理じゃねーか。この扉一方通行みてーだぜ」
扉に近づいた雷斗さんは、ドアをガンガン蹴っていた。
『アーツさんなら大丈夫ですよ。変な事ばかり言ってますが実力は本物ですし、もう少し待ってみましょう』
凍夜の言うとおり、狂戦士の呪いには掛ってしまってはいるがアーツは無事だ。遅くても十五分程度でくるはず。
それより、シャークはどうなったんだろ。雷斗さん達の"時の流れ"からして、蜘蛛と戦っている辺りか。
もしくは、三人のGMらしき人物と交戦中か・・・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!