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沸騰したように噴き出す赤いオーラを携えシャークは、デスナイトに立ち向かっていく。
オレの視点は雷斗さんのようで、この場から離れられない。
落ち着きを取り戻したルークは短剣を取り出した。
黒いオーラが、グラネルのように刀身を作り出している。
『ゲームマスターに挑むことが、いかに無謀か……私が教えてあげましょう』
それぞれが武器を構え、臨戦体勢に入るチームホープ。
「私達は必ずクリアして、元の世界に戻るわ」
【師走】発動。
【文月】発動。
【炎強】発動。
【ホワイト・ブレイク】発動。
結月の台詞を皮切りに両者がぶつかり合った。
全員が肉体強化系を含むスキルを発動。
攻撃強化系を使用しないのは、ルークの特殊装備で無効化されてしまうからか。
基本的にスキル無しで戦わないといけない……。
【スキル・コピー】発動。
ルークの体に複数の色のオーラが取り巻いた。
何重にも掛けられた強化スキル。
『貴方達が使用したスキルは、コピーできるんですよ』
余裕からなのか、自らのスキルを明かしながらルークは、雷斗さんと凍夜の攻撃を捌(さば)いていく。
結月は回り込んで、死角からグラネルを突き刺した。
――キィン!
『単純な攻撃。何で貴女がリーダーなのか不思議です』
ルークは、回避と同時にグラネルに黒い剣を当て軌道をそらす。
「――凍夜っ!」
雷斗さんが叫ぶ声が響いた。
攻撃しようと踏み込んだ凍夜の胸元には、青白い神剣が。
掛け声に気が付いた凍夜が当たる寸前で刀を前に出し、弾いた。
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