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体勢を立て直し立ち向かう三人。一見すると両者の実力は拮抗しているかのように見えた。
しかし、
ルークの防御力は高く、三人で戦うも攻めきれていない。
そして、一人技術的に劣る結月を攻め立てられ徐々に追い込まれていった。
雷斗さんの攻撃はすかされ、結月を守りながら戦う凍夜の振り下ろした刀は受け止められる。
さらにルークは、振り上げたグラネルの柄もとを蹴り上げた。
「――きゃっ!」
かろうじて手にする武器を放さなかったものの、結月は蹴られ転がった。
『――貴様っ!』
一対一になった凍夜は、いとも簡単に胸元を斬られたが傷は深くはない。
一旦、距離を置く三人。
ルークは追撃に向かわず、剣を下ろし結月に視線を送った。
『貴女、本当にリーダーなんですか。弱すぎて話になりませんね』
「なんだと、テメェ・・・・・・」
前に出ようとした雷斗さんを凍夜が止めた。
『雷斗、挑発に乗るな』
回復スキルを発動し、凍夜の損傷部位を修復させながら結月が口を開く。
「・・・・・・そうね。私も不思議よ」
口で精一杯強がっているのかと思いきや、結月は微笑んでいた。
『リーダーというものはですね、圧倒的な強さとカリスマ性で部下を支配するものなんですよ。貴女にはその欠片もない』
コイツ、自分にはそれがあるっていうのか。
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