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結月の台詞に二人の侍が答えた。
「当たり前だろっ!」
『僕が仕留めます!』
それぞれがルークに斬りかかっていく。
別に、何か良い作戦を思い付いたわけでもない、状況が変わったわけでもない。
ただ、結月の一言で二人の士気が上がったんだ。
――美咲に似ている。
なぜか、アイツの掛け声でみんなの士気があがり、救われた場面が何度もあった。
少し遅れて敵に向かった結月は、さらに指示を出す。
「ルークの攻撃力は怖くないわ。雷斗なら致命傷にはならない! 思いきって跳び込んで。
凍夜くん、左手だけに集中して気を配って! あいつはまだ攻撃スキルを発動していない」
洞察力を活かした指示は効果的で、防戦一方だった形勢が逆転していく。
雷斗さんの激しい攻撃を捌きながら、スキルを発動するタイミングを伺うルーク。
しかし、凍夜が左手を狙った攻撃を繰り出すため思うようにはいかない。
その攻防の死角を結月が突いていく。
この調子ならいけるぞ。
チラッとシャークに目を向けると、いつの間にか遠く離れた場所で戦闘を開始している。
複数の色が混ざり合い、空からは矢が降り注ぎ、地面は衝撃で所々ひび割れていた。
めちゃくちゃ暴れている……。
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