ホープ Vs ディスペアー

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「おらぁぁぁ!」 雷斗さんの一撃が、ルークの右肩にヒット。 初めてまともに入った攻撃ではあるが、防御スキルでダメージはない。 『――ぐっ!』 えっ……。 なぜか短い悲鳴を挙げたルーク。 オレは確認の為、位置を少しだけ移動すると視界に入ったのは、 ――結月だ。 後ろから、グラネルの刀身が脇腹を切り裂いていたんだ。 一瞬、硬直した奴の正面から、凍夜が刀を振り下ろす。 ――キィィィィン!! 重なり合う金属音。ルークはその攻撃を左腕で受け、右手で持つオーラが纏う剣を横へと薙ぎ払った。 それを凍夜は後転して回避。 「――やぁぁぁぁぁ!」 再び、後方からグラネルを振り上げた結月が叫んだ為、ルークが振り向いた。 そんな事をしたら、せっかく死角に入った意味が。 敵の持つ剣に、結月の一撃は簡単に弾き返された。 ――――ザシュッ! 『ぐぁぁぁぁぁ!』 苦悶(くもん)の表情で叫んだのは、またもやルーク。 そうか! 結月は、わざと声を出して自分に注意を引き付けたのか。 ルークが振り向いたため、雷斗さんが死角に入り、攻撃したんだ。 目で追えない一撃がルークの左腕にヒット。 切り落とされた肘から先が地面へと転がった。 「追い詰めたぜルーク!」 『――貴様らっ!!』 怒りの形相を浮かべ、口調までも変わったルークは、残った右手で剣を地面に突き刺した。 【火柱】発動。 黒いオーラが赤く変色し、剣を伝わり地中へと流れ込んだ瞬間、八本の太い火柱が地面から一気に噴射。 この手のスキルには慣れている三人は素早く察知し回避した。
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