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『死に損ないが、調子に乗りやがって!』
再び激突する二人。
結月は、青白く光る剣を構えたまま動かない。
一体、どんな策があるっていうんだ。
『絶望を感じないのか! お前達の世界は終わりなんだ!』
「決めつけてんじゃねー! そんなもん、自分で決める!」
ロボットの左腕が雷斗さんの脇腹に命中するが、それを堪(こら)え刀を振り上げる。
「俺達はホープ(希望)だっ!」
肘と機械の継(つ)ぎ目を狙い刀を一気に振り下ろした。
――ギィィィン!
金属が擦れる音の後に、ガシャンと腕が落ちる音が響いた。
そしてそのまま接近状態から、ルークの顔へと頭突きを加え、体ごとぶつかっていく。
『――希望を摘むのが私だっ!』
後ろ足で踏ん張り、雷斗さんの突進を受け止めたルークは、刀を低い位置から突き上げた。
この軌道はまずい。一直線に雷斗さんの腹部に向かっている。
剣の軌道を見つめたまま雷斗さんは動かない。
――――ズシュッ!!!!
刀を落とし、ルークへ抱き着くように体を預けた雷斗さんを、黒い剣は貫いていた。
嘘だろ…………。
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