【Kill Time】第22話

最終の間

ルークは、斬りかかってきた凍夜の鋭い攻撃を、左手に持つ短剣一本で受けつつ、右手で召喚を続けている。

『――焼け焦げろっ！』

一旦、武器を引いた凍夜は、再び刀を振り上げ上段から正面へと振り下ろした。

纏(まと)わりついていた炎が、火炎放射器のように一気に噴出す。

『私にスキルはききませんよ』

ルークを襲った炎の風が触れた先から溶け出した。

これは……シャークと戦ったＧＭが装備していたスキル無効のアイテムだ。

【睦月】発動。

「下がれ、凍夜！ こいつは俺が戦るっ！」

横から割って入ってきたのは雷斗さん。

いきなり最大攻撃力を誇る睦月を発動している。

ギィンという金属音。

ルークは睦月ですら短剣で受け止めた。

『強化系のスキルであろうとも、私に触れた瞬間無効化されますよ』

下がった凍夜は雷斗さんと入れ代わり、結月に加勢。

二人掛かりでメディと戦っているが互角の争いだ。

そして、四つの魔法陣から殺気が放たれる。

召喚が終了したのか！

嘘だろ、こんなに実力差があるなんて。

さっきまでのＧＭとは格段に実力が違う。