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寝ている修司などに気を使っていられないオレは、ガバッと起き上がり哲二に向け叫んだ。
「ど、どういうことだよ!」
「えーと……。まだ言えない。監視システム――これで察して」
ニヤッと笑うその表情から、"クリアアイテムはこの世界にある"という、自信が伺えた。
理由が監視システム。つまり、運営には知られたらまずいということか。
「少しは安心したかな? 明日は、もっと詳しい話を聞くから今日は寝よう」
人の心は不思議だ。自分でコントロールしているようで、違う。
さっきまでの、絶望が一瞬にして消え去った。
――大丈夫。
希望っていうのは、必ず心のどこかで輝いているんだ。
「……哲二、ありがとう」
「何それ、お礼を言うなんて変でしょ」
「それもそうか。じゃ、おやすみ」
これでゆっくりと寝れる。そう思いながら瞼(まぶた)を閉じると修司の高いびきが止み……。
「おらぁぁぁ! 座布団、拾ったぜぇぇ!」
どんな夢見てんだよ、コイツは。
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