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まったく、ひでぇ目にあったが作戦は成功した。もう、こんな場所に用はねぇ。
俺達は、暗闇の中を縫うように走り抜ける。
横を走る茶髪の坊主が異変を感じとった。
『プレイヤーが接近してきます。……三人っすね』
ちっ、めんどくせぇな。
こんな場所に来るプレイヤーだ、そこそこ腕が立つだろう。
当然、こっちの存在に気が付いているはずだ。
『ウチがブチ殺してやるよっ』
前を走る青髪の小娘が立ち止まる。
「いや、お前らは先に行け。そろそろ足止めした"奴"が動き出す。死にたくはねぇだろ」
"奴"というワードに恐怖を覚えたのか、小娘は珍しく素直に従った。
『あの場所で落ち合うってことでいいっすか?』
「――あぁ。戦うわけじゃねぇ。すぐに追いつく」
相手次第だがな――。
二人が先に行くのを確認し、腰元の刀に手を掛け鯉口を切る。
到着まであと、数十秒……。
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