逃亡者

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【ストレート・ガード】発動。 姿すら確認できない敵がスキルを発動した。 黄色い閃光を視界に捕捉。 物凄い勢いで迫り来るのは……鉄板――いや、楯か。 サイズ、質量ともに巨大な楯が突っ込んでくる様は重戦車のようだ。 ありゃ、受け止められねぇな。 そう判断した俺はスキルを発動した。 【土柱(どちゅう)】発動。 地面を半径1m程の円柱状に盛り上げタイミングを見計らい大楯を上方に弾くが、少し浮いただけでびくともしない。 「――おらぁっ!!」 次々に土の柱を出現させ、重戦車を弾き上げていく。 右上方まで跳ね上げ攻撃の軌道を反らすことに成功した。 ――と、思った矢先。 【ダウン・ガード】発動。 方向転換できるのかよ。 軌道を下方向に変え俺に向かって来るのは、身の丈(たけ)よりもデカい楯を構えたプレイヤー。 喰らったら潰されちまう。 【土柱】発動。 今度は自分の足元に柱を出現させ、上空に逃れた。 『こら、逃げてんじゃねー! 殺すぞっ!』 違う方向から女の声が。 追い付いてきた仲間の気配を探るが、柱の根本に楯野郎が突っ込んだ衝撃音で掻(か)き消された。 バランスを崩し落下しながら策を練りつつ、辺りを警戒。 ――――いた。
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