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スキルを発動した為に、自らのオーラで女は姿を現した。
動きづらそうなヒラヒラした服を身に纏(まと)った女は、レイピアを振り上げ離れた位置にもかかわらず振りきった。
――遠距離攻撃か。
【土壁】発動。
目の前の土が盛り上がり、厚く太い壁をまたたくまに形成した。
――バシュッ、バシュッ!
と、同時に壁に亀裂が入る。
オーラの形からして鎌鼬(かまいたち)のような攻撃スキル。風使いか?
好き放題攻撃しやがって――チケットを破りながら俺はスキルを発動した。
喰らいやがれ!
【粉塵(ふんじん)】発動。
破ったチケットは暗緑色の粉へと変化し、オーラで出来た粉塵と共に辺りを埋め尽くす。
闇に紛れた毒の粉塵。
死にはしねぇが、暫(しばら)くは動けねぇぞ。
地面に突っ込んでいた楯野郎は、再びスキルを使用し後方へ回避。
フリフリ小娘も、どうやったのか風を巻き上げ粉塵を散らした。
――まだまだ、いくぜ。
二人の反応速度からかなりの実力者だと判る。それに……三人目はどこに?
持久戦を覚悟しありったけの粉塵をまき散らすと、緑色の斬撃が闇を斬りつけ始めた。
「魅せて見ろ、童子切りっ!」
足元がオレンジ色のオーラに包まれた男が一直線に向かってくる。
――毒を切り裂いて吸収していやがる、この武器は……。
ちっ、抜くしかねぇか。
"黒"は出るなよ――
――――キィィィィィン!!
腰元の赤いオーラで包まれた刀を抜刀し、緑色の斬撃を受けた。
――こいつ、葉山雷斗かっ!
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