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この後、順調ではないけれど誰もダメージを受けることなく七階まで到着した。
オレの横にいた健太郎が呟く。
『オラもうスキルPが無いっぺしたよ』
「えぇっ? だって健太郎は忍者との戦い以降スキル使ってないでしょ?」
『んだ。あの時になぐなった』
その時に言えよ……。今まで戦闘中何をしていたんだ。
この事実を急いで哲二に伝える。
「そろそろ休憩しないとマズイかな。予定より早いけれど……」
しかし、休憩するにしたって敵はどうするんだ?
例え十三体倒したところで一定時間経てばまた出現してしまう。
「でも、どうする? 敵に襲われちゃうじゃん」
「敵の種類にもよるけれど……ハメるしかないかな」
哲二の作戦はこうだ。
フロアごとに地形は違うが、構造は似ている。
簡単に説明すると迷路のように入り組んだ通路には、広い通路と細い通路があり、さらにその通路に区切られた大小の部屋がある。
階段の位置は四階以降はバラバラだ。
まず十二体の敵を倒す。
そして小さい部屋を利用して、そこに残りの一体の敵を誘い込んで蓋をする。
「蓋なんてどうするの? 小さくたって二人程度は通れる出入り口をふさぐものなんかないよ」
「大丈夫。PDAに鉄製の板を入れてあるから」
何のために……どういった事態を想定してそんなもん用意しているんだ。
「そ、そうなの? よ、用意がいいわね」
美咲もオレと同じ意見のようだ。
作戦が決まったので敵を探すことにした。
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