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視点 鷹山 蓮
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追ってくるプレイヤーを何とか追い払って、今は火山へと向けて車を走らせている。
健太郎のスキルで二人のプレイヤーを倒せていたらしく200P手に入れた。
「美咲さん達もスタートは大丈夫だったって。今同じように火山に向かっているよ」
オレの横に座る哲二は左腕にチェーンを巻きつけながらメールを確認している。
正面には荷台にもたれ掛りPDAを操作している健太郎。
『順位がもう出てるべ』
おっ、てっきりアプリで遊んでいるのかと思っていたらイベント概要を検索していたのか。
健太郎は身を乗り出し哲二と俺にPDAを見せてきた。
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■ブラーノスの依頼(暫定順位)
一位 泉・牧田
二位 カトラス・ディアブロ
三位 ワンバック・高瀬
四位 入江・杉本
五位 パトリシア・団
六位 アキラ・リア
七位 内村・田中
八位 福原・オルティス
九位 竹藤・須藤
十位 葉山・チェン
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※更新は一時間毎に行います。
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泉が一位かよ。
二位は……パト隊長達を襲っていた男だろう。ディアブロと名乗っていた。
パト隊長も五位ってことは、二人の戦いは決着が着かなかったのか。あの男、元オレンジライフ隊長二人と戦って互角だったとは驚きだよな。
「雷斗さんもここに来ているね」
本当だ、チェンさんも合流できたんだ。早く雷斗さんに会って石化の秘密を話さなくては。
ランキングを眺めていると哲二が話しかけてきた。
「確認しておくけどプレイヤーキラーはしないよね?」
「えっ……どういう意味?」
青い眼鏡のツルを右手でつまみながら哲二は説明し始めた。そのレンズの奥は黒く光っているような……。
このイベントのシステムは、プレイヤー同士が戦うように仕向けられているとのこと。
エリアに各一体しかいないボスでさえたった300Pしかない。
手っ取り早くPを稼ぐにはプレイヤーを狙ったほうが早いという訳だ。それにライバルが減るという利点もある。
「いくら死なないとはいえ道義的には……」
そう言いかけると、哲二は残念そうに俯きながらチェーンをジャラジャラさせている。
「ありえないよね」
表情とセリフが逆だぞ哲二!
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