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PDAを操作しながら階段へと歩き出す。
人員配置を書いたはずだけど、メモどこだったかな。
いくつかの大砲を通り抜け階段の手すりを掴んだ。
あった、これだ。
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【配置案】
■北門
修司・チェン・武・牧田
■西門
美咲・アーツ・アルト
■東門
柚葉・泉・西山直樹・健太郎
■南門
蓮・パトリシア・西山怜香
※団隊長と数名はハムラビの塔へ
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どうしても一ヶ所手薄になってしまう。
手薄な東門に一般プレイヤーを多く配置して、団隊長もしくは雷斗さんが戻ったら向かってもらうしかないか。
戦闘要員は4500人。そのうち裏切りが分かっているプレイヤーは650人。
実質3850人ってところか。
中でも遠距離攻撃系と範囲スキル攻撃系のプレイヤーは城壁の上に配置するとなると、直接攻撃系の人数が限られてしまう。
裏切り者にも働いてもらうしかないかな。
『あーん、哲ちゃん。何よ、そんなに思いつめた顔しちゃって。
もう、三角筋触っちゃうっ!』
内股で駆け寄ってきた佐伯が僕の右肩を揉みだした。
カミングアウト後の佐伯は色々な意味で突き抜けている。
性格もそうだが、レベルも目標の540に達し"龍の楯"作成に着手し始めた。
「くすぐったいから止めてよ。それより佐伯、間に合いそう?」
『リームーよ、リームー。あと二日で間に合うわけないじゃない。
でも、哲っちゃんの大殿筋触らせてくれたら……
間に合う…… か も よ 』
問題なく完成するということか。
「蓮が装備する予定だから。さっき本人が体をはるって言っていたよ」
『マジデ? デジマ? 嘘ぉぉ!!』
古いよ、佐伯。
嬉しそうに走り去る佐伯の背中を見ながら僕は思った。
蓮、後は頼んだ。
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