兵法三十六計③

12/14
532人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
≪……ちゃん。……兄ちゃん≫ ――鬼丸!!!? 「鬼丸! 大丈夫なのか!?」 思わず声に出して呼びかける。 頭に響くこの声、この話し方は間違いなく鬼丸だ。 ≪オイラはもう元気だよ、早く兄ちゃんと一緒に戦いたい……≫ この強い大きな気配もそうだ。ずっとオレを探していたのか? ≪兄ちゃん、どこにいるの? オイラと一緒に……≫ 街の方角から現れた気配が一層強さを増す。 「嗚呼、一緒に戦おう!」 鬼丸は成長する。ここにきて、見たものを学習する能力まで見せ始めた。 きっと美咲のグラネルや修司のグングニルの能力だって……。  ≪……兄ちゃん、      何処にいるの?≫  「ここだっ!      来いよ鬼丸っ!!」 オレは叫びながら一直線にシヴァの元へと飛ぶ。 『鷹山君!?』 【ストレート・ガード】発動。 後方からスキルを使用した団隊長が追いかけてきた。 前方からは強い気配が物凄いスピードで接近している。 オレは手にしていた日本刀を投げ捨て、桜色のオーラを集めた。 【染井吉野】発動。 オレに気付き動き出したシヴァの四本の腕が攻撃体勢に。 今までやりたい放題しやがって。オレ達の力を見せてやる!   「鬼丸、ここだっ!!」 ――バキィィィィン!! シヴァの胸元を後方から貫いたのは、赤いオーラを纏った日本刀。 天下五剣の一振りは、そのままオレの手元へと収まった。 ≪兄ちゃん、やっと会えたね≫ 「まずはコイツに、オレ達の強さを見せつけてやろうぜ」 オレは相棒を構え、破壊の神に突っ込んだ。 南門――10:05
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!