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≪……ちゃん。……兄ちゃん≫
――鬼丸!!!?
「鬼丸! 大丈夫なのか!?」
思わず声に出して呼びかける。
頭に響くこの声、この話し方は間違いなく鬼丸だ。
≪オイラはもう元気だよ、早く兄ちゃんと一緒に戦いたい……≫
この強い大きな気配もそうだ。ずっとオレを探していたのか?
≪兄ちゃん、どこにいるの? オイラと一緒に……≫
街の方角から現れた気配が一層強さを増す。
「嗚呼、一緒に戦おう!」
鬼丸は成長する。ここにきて、見たものを学習する能力まで見せ始めた。
きっと美咲のグラネルや修司のグングニルの能力だって……。
≪……兄ちゃん、
何処にいるの?≫
「ここだっ!
来いよ鬼丸っ!!」
オレは叫びながら一直線にシヴァの元へと飛ぶ。
『鷹山君!?』
【ストレート・ガード】発動。
後方からスキルを使用した団隊長が追いかけてきた。
前方からは強い気配が物凄いスピードで接近している。
オレは手にしていた日本刀を投げ捨て、桜色のオーラを集めた。
【染井吉野】発動。
オレに気付き動き出したシヴァの四本の腕が攻撃体勢に。
今までやりたい放題しやがって。オレ達の力を見せてやる!
「鬼丸、ここだっ!!」
――バキィィィィン!!
シヴァの胸元を後方から貫いたのは、赤いオーラを纏った日本刀。
天下五剣の一振りは、そのままオレの手元へと収まった。
≪兄ちゃん、やっと会えたね≫
「まずはコイツに、オレ達の強さを見せつけてやろうぜ」
オレは相棒を構え、破壊の神に突っ込んだ。
南門――10:05
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