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踏み出した一歩は驚くほど大きく、滞空時間が長い。
いや、それどころか宙に浮いていく。修司の【エア・ステップ】を何度もしているような感覚だ。
――空が飛べる。
パトリシアさんはこの能力で飛んでいたのか。
戦闘が一番激しい場所に到達する頃には風の操作に慣れてきた。
足で踏みださなくても、自由に移動できる。思ったより動きやすいぞ。
狙いを定め少し高い位置から急降下。
日本刀のチャージは、MAXの黒。敵は上空からの攻撃に警戒心がない。
死角から急接近し三人を切り裂き一旦上空へ。再び下降し二人突き刺した。
『上からも敵が来るぞっ!!』
うわっ、もうバレたのかよ。
気が付いた運営達による遠距離攻撃が一斉に開始された。
狙いを定められないようジグザグに空を飛び、少し離れた位置で着地。
振り返ると八人の運営達が追ってくる。
プレイヤーが近くにいない事を確認し日本刀にオーラを流す。
【桜花一閃】発動。
刀を左から右へ大きく横に薙ぎ払うと桜色の刃が飛び出した。
――!!!!
遅いっ、それに刃が薄い?
それでも相手の運営が弱かったのか、刃は先頭に立つ二人の運営を切り裂いた。
残りはまだ六人……。
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