兵法三十六計③

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踏み出した一歩は驚くほど大きく、滞空時間が長い。 いや、それどころか宙に浮いていく。修司の【エア・ステップ】を何度もしているような感覚だ。 ――空が飛べる。 パトリシアさんはこの能力で飛んでいたのか。 戦闘が一番激しい場所に到達する頃には風の操作に慣れてきた。 足で踏みださなくても、自由に移動できる。思ったより動きやすいぞ。 狙いを定め少し高い位置から急降下。 日本刀のチャージは、MAXの黒。敵は上空からの攻撃に警戒心がない。 死角から急接近し三人を切り裂き一旦上空へ。再び下降し二人突き刺した。 『上からも敵が来るぞっ!!』 うわっ、もうバレたのかよ。 気が付いた運営達による遠距離攻撃が一斉に開始された。 狙いを定められないようジグザグに空を飛び、少し離れた位置で着地。 振り返ると八人の運営達が追ってくる。 プレイヤーが近くにいない事を確認し日本刀にオーラを流す。 【桜花一閃】発動。 刀を左から右へ大きく横に薙ぎ払うと桜色の刃が飛び出した。 ――!!!! 遅いっ、それに刃が薄い? それでも相手の運営が弱かったのか、刃は先頭に立つ二人の運営を切り裂いた。 残りはまだ六人……。
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