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「ってことはよ、俺の武器なら吸われたって問題ねーんだろ?」
「そうね、さっきと作戦は変わらない。だけど……」
「迷ってる暇なんかねー。決めたら即行動だっ!」
【エア・ステップ】発動。
右斜め上方に飛び上がりながら宙を踏み、修司はリッチを斬り付ける。
――ギィィィィン!!
さっきまでヒットしていた攻撃だったが、光り輝く鎌で受け止められてしまった。
それれでも攻撃を止めない修司。
力任せではなく、流れるような連続技。時にはフェイントを交えて。
「俺が鎌をひきつけるから今のうちにっ!」
私は大地を蹴り二人の戦闘に加わった。
死神の動き見極める。
チャンスは鎌を振り上げた瞬間しかない。
私の狙いは頭蓋骨から下まで一刀両断すること。
これならたとえ一撃で倒せなくても反撃されることはないわ。
迂闊(うかつ)に接近すると、通常の関節ではありえないような動きからの攻撃が襲ってくる。
それでもやるしかない。
修司の槍が鎌を絡めた為、死神の動きが一瞬止まった。
「――今だっ!!」
ありったけの想いを込めて私はグラネルを振り上げた。
――ズドン。
――ズドン。
上空から落ちてくる黒いオーラの塊が修司を襲う。
そして……
――ズドン。
声を上げられない程の激痛が私の体を駆け巡った。
ス、スキル攻撃……。
飛び込んできた修司が私を突き飛ばした。
――ズドン。
――ズドン。
「修司ぃぃぃぃぃ!!」
黒い衝撃波が何度も修司に落とされていく。
足に力を込めるが思うように入らない。
ス、スキルを使わず、ずっと物理攻撃だけだったから……か、完全に油断……。
見上げれば黒い雲のようなオーラが空を覆っていた。
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