最終戦メンバー

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「ちょ、ちょっと、何でアンタが!?」 『オ、オラ……』 開いた扉から現れたのはアルトだった。 この子を戦闘に!? 『私が推薦します。彼女を連れていきましょう』 「だ、駄目よ。この子を危険な場所には連れていけないわっ!」 『なぜですか? 年齢だって一つしか変わらない貴女だって行きますよね?』 「年齢の問題じゃ……」 まさか、アーツと意見が食い違うとは思ってもみなかった。 どう説得してよいのか迷っていると、哲二が私の代わりに口を開いた。 「神殿に参加できるのはクリアアイテムを所持しているSSランクチームのみです」 『でしたら、チームに入れてあげてください』 「途中で参加させてしまったら、他のプレイヤーに示しがつきません。身内だけ優遇するのか、そういった話になるでしょう」 ここにきてリーダーの私に、大勢のプレイヤーが最終決戦に行く為チームに参加させろと言ってきている。 断る理由として、哲二がレベル250は必要だと口外してしまった。 『困りましたね。アルトさん、今のレベルは?』 「197だっぺした」 いつの間に……私とそんなに変わらないわ。 「無理ですね」 意見の変わらない哲二にアーツさんが、 『神殿に到着するまで私が鍛えれば、少しは……』 『アーツざん、もういいだ。オラが自分で説得する!』 アルトは力強く言葉を続ける。 『雷斗さんは言ったでねーか。オラは奪われたもん取り返しにいくだけ。大事な仲間を取り戻すのに条件なんておかしいべ』 「皆アンタの心配しているのよ」 『自分の仲間は自分で取り戻すだっ!!』 何を言ってもきかない子供の様にだだをこねている。 それでも右手で眼鏡を押さえた哲二の表情は揺るがない。 「駄目だ。例外を認めたら示しが付かなくなる」 プレイヤーには厳しい現実を突きつけたばかり。 その自分が身近なプレイヤーだけを特別扱いしていたら指揮官として致命的だ。 アルトだけを特別扱いになど哲二が出来る筈はないわ。
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