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魔導師系と剣士系が融合された職業なんてあんのかよ。それにあの剣、やばすぎる。
どうみたってレイドの若さは10歳前後。
もっとも最初の年齢なんか知らねーが、命を一つ奪って一日しか若返らないのにこの年齢かよ。
絶対にクリティカルを喰らうわけにはいかねー。
まぁ、一撃で命を奪うなんて能力の発動率は相当低いに決まっている。3%にも満たないだろう。
つけ入る隙はまだある筈だ。
『早く終わらせなきゃ。隊長に怒られるのは嫌だからね』
三人のスキルを相殺し、動きの鈍いパトリシアに接近したレイドは剣を振り上げた。
――ガギィィィン!!
間に入った団がイージスの楯で仲間をかばうが、光り輝く楯には斬撃と同じ軌道で亀裂が入った。
追撃の為、剣を引いたレイド。
駄目か、まったく時間稼ぎにもならねーな。
【止血】発動。
イージスの楯ごと斬られるかと思っていたが、振りかぶったままレイドは動かなかった。
――!!!!
振り返ると、上半身だけを起こし右手を前に出したシャークからレイドへ、白いオーラが放たれている。
治療系のオーラがレイドを染める血に反応していた。
自分の返り血を固めたのか!?
『凄いね。こんな攻撃もあるんだ!!』
無邪気に驚くレイドは、見た目通り子供そのもの。
その隙に団達は距離を取っていた。
レイドは凝固した血液を力任せに砕き動き出す。
『じゃあ、今度は僕がスキルを発動するよ』
戦いごっこでもしているかのように、奴は自分の攻撃を宣言。
邪悪なオーラが辺りの空気を支配した。
【ブリュナークの槍】発動。
レイドはスナッチソードを背中にしまい、両腕を高く挙げ五つの球を出現させた。
団達は倒れているシャークに駆け寄り防御態勢に。
俺は三日月宗近を構えた。
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