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視点 ディアブロ
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「源三っ!! 源三、いないのかっ!?」
≪は、はい、います。どうしましたか?≫
「どうもこうもないわっ!! 一体どれだけ待たせるつもりだ。拙者には、影山さまに仇為す者達を成敗せねばならぬ使命があるのだぞっ!!」
≪まだ一時間しか経っ……≫
「言い訳など聞きとうないわっ!!」
≪も、申し訳ございません。今状況を説明しますので、少々お待ちを……≫
この神殿とかいうハイカラな建物に十五名もの曲者(くせもの)が侵入したらしい。
中でも特に不埒な輩(ふらちなやから)が、五名もいるという。
――成敗せねば。
≪御屋形さ……あ、ディアブロ様。現在の状況ですが、一組のプレイヤーが三択の間に到着しました。霧雨様が待ち受けている場所です≫
「なんだと! なぜ霧雨なんだ」
≪中でもディアブロ様好み……いや、特に不埒な者が二名おります。画像はPDAで確認下さい≫
PDA……ああ、この呪い箱か。
――なっ!?
ふ、不埒……。
何だこの露(あら)わになった太ももは。
それに二の腕をこんなに出して……鳥の羽根のような模様まで書き込んでいる。
もう一人は子供!?
ぬぬぬ、待てよ……こ、これは!!
――卑猥の極みっ!!
いくらなんでも、この谷間は卑猥(ひわい)であろう。
確認せねばなるまい。
「そこに行く。どうすればよい?」
≪だ、駄目です。作戦が狂ってしまいますので、そこで待機を……≫
「何が作戦だっ!! 不埒な輩を成敗すればいいだけの話ではないかっ!!」
≪現在、新たな侵入者が現れ、その対応にカトラス様が向かっております。お戻りになられるまでは、どうかそこで待機を……≫
「ゼノン殿はどうしておる! まさかあの不埒な風使いと戯れておるのではあるまいな」
≪ゼノン様は敵軍の葉山と交戦中。風使いのパトリシアは意識を失い戦線離脱し、シャークと鷹山がかくまっている模様です≫
おかしいぞ。
拙者だけ何もしていないではないか。
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