取引②

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=============== 視点 ゼノン =============== やれやれ。 物事ってのは、本当、思うようにはいかねぇもんだな。 滝澤(社長)から得た情報によれば、鷹山の中にはエタンセルでしか発動できない強化スキルが封印されている。 堕天使のタトゥーはそれを解除する鍵。 そして、渡された"堕天使の御魂"はその強化スキルを吸い出すアイテムだ。 娘を守る為にいくつのアイテムを用意してんだ。 過保護もいいとこだな。まっ、気持ちはわからねぇでもないが……。 レイドが現れた瞬間、俺の作戦は変更になった。 この世界のプレイヤーが束になったって奴には敵わない。 キャップ? そんなもん外したって、勝てやしねーよ。 影山は俺達運営のキャップを外す許可を出した。 それを知った上でレイドを送り込んだんだからよ。 唯一の救いは、エタンセルの力。 どんな力かと思ったら、とんでもねーな。 俺か葉山か、シャークが手にすれば間違いなくレイドに勝てる。 問題はどうやって吸い出すかだ。 理由はわからねぇが鷹山は明らかに暴走している。 全身の自由を奪われ、今にも意識が飛びそうだ。 まるで、典太の黒を出した時のような……。 大典太の特殊能力は抜刀時の強制選択。 黒を引き当てた時は、典太に身体の主導権を奪われる。 今はもう奪われることはねーけどよ。 まてよ……。 ――!!!! ≪ぎゃははは。やっと気がついたのか? ダセーなゼノンっ!!≫ お前、典太。知ってやがったな。 鷹山の持つ得物は大典太と同じ天下五剣の一振り。 この暴走は……鬼丸だ。
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