取引②

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=============== 視点 カトラス =============== 最後の回復チケットを破った。 白く発光するチケット。キラキラとしたオーラが、損傷部位を中心に集まっていく。 一つ一つ確かめる様に、腕や足に力を入れてみるが変化はない。 HPバーが回復してもスタミナが戻らないんだ。 上位の回復チケットが気休めにしかならねーのか。 レイドの攻撃はオーラそのものを破壊した。 初めて経験する攻撃方法。 次の地域――エタンセルでは当たり前の攻撃なのか? とにかく、早くあの場所へ。 俺は足を引きずり運営専用ルートを進む。 表舞台とは違って、配線やら鉄骨がむき出しの通路。 普段なら騒がしいこの場所もまったく人気がない。 全員避難しちまったからな。 ったく、お遊びで残ったつもりが大火傷だ。 間一髪。 俺は歩きながら先程の脱出劇を思い出していた。 光の壁が俺とレイドを囲いやがった。 ありゃー、団の野郎が発動した捨て身のスキルか。 すぐさまレイドは壁を破壊しにかかった。 しかし、光の壁は信じられないくらい強固で、奴の攻撃力をもってしてもビクともしない。 闇と光で属性の相性も悪かったんだろう。 さすがのあいつも驚いた顔をしていたぜ。 思いっきり笑ってやったら、殺意は俺に向けられた。 準備ってのはよ、何でもしておくもんだよな。 俺は予め三日月宗近でジュエルの暴発したスキルを吸い込んでいた。 属性は陰陽五行。 それを一気に解放して壁に向けて放ってやったんだ。 捻じ込むように撃ち込んだスキルに俺の力を上乗せさせ、やっと空いた穴。 人ひとり通れるかどうかのその穴から俺は脱出した。
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