取引②

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俺が脱出した穴は、壁の再生能力によってすぐに閉じてしまったので、レイドは中に入ったまま。 辺りを見回すと、シャークや鷹山達の姿は無い。 光の壁の反対側に回ると、団が地面に倒れていた。 その大柄な体は半透明になり、消えかけている。 俺はレアなアイテムを期待して、団のPDAを救出した。 しかし、それでも光の壁は維持されている。 発動者の命が尽きても消えない能力なんて聞いたことがねー。 ってことは、団だけの能力ではない? それもそうだ。 いくらイージスの楯がレア度★5でも、あの硬度はあり得ない。 誰かが手を貸しやがったんだ。 だけど、そんな力をもった奴がプレイヤー側にいるとは思えない。 考えを巡らせ歩いていると、いつの間にか目的のエレベーター前に到着していた。 中へと入り54Fのボタンを押し、壁にもたれ込む。 見上げると防犯カメラ脇にある赤いランプが規則的に点滅している。 ここに来るまでに、三度防犯カメラの前を通った。 奴は俺が向かっている事に気が付いている。 今もきっとこのカメラで見ているだろう。 だが、何のアクションも無い。 あの野郎…………覚悟は出来ているってことか。 コロシアムから神殿前庭へ。 何のマネか知らねーけど、誰かれ構わずレイドの前に転送しやがって。 目的の階へと到着すると、ドアは音もなく左右に開いた。
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