シャーク・Kという男

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眩しいほど強烈に輝く数珠丸を携えたシャークが動き出すと、レイドも濃く禍々しいオーラを大量に集め出した。 【シールド・バット】発動。 【ダークマター】発動。 現れた13匹の蝙蝠がレイドを守る様に立ち塞がる。 【炎球】 大地を蹴り、地を這うように急接近する赤い残像。 シャークは最初の一振りで5匹の蝙蝠を斬り裂き、左手の初期スキルで残りの8匹を焼き殺した。 『なぜだっ!?』 レイドもまた俺と同じように混乱している。 数珠丸のキャップが外れただけでシャークの戦闘能力が急激に上がった。 限りなくレイドに迫る基礎運動値、いや、オーラだけならそれ以上か。 『答えろ、何をしたっ!?』 シャークは無言のまま髪をかきあげた。その手が血で濡れていたため、赤茶色の髪が後ろへ流れる様にまとまっている。 『…………。』 文字通り、シャークは問答無用とばかりに前へ出た。 対するレイドも怒りに身を任せるように向かっていく。 再び合いまみえた両者。 先手を取ったレイドの連続攻撃をシャークは凌いでいる。 さすがに全てとはいかないが、致命傷にならない程度に捌(さば)き切っていた。 スナッチソードの剣尖がシャークの頬を掠(かす)めた所で、レイドの連続攻撃の流れが止まった。 連続攻撃後の息継ぎ。 【睦月】発動。 【ホワイト・ブレイク】発動。 【ギガチャージ】発動。 正中線上に振り上げられたシャークの刀に三色のオーラが纏わりつく。 極限まで強化された数珠丸の気迫は離れたこの場所にまでびりびりと届いている。 間違いなく、俺が今まで経験した事のない強烈な一撃が振り下ろされた。 『くそぉぉぉぉぉ!!』 【斥力】発動。 轟音と激震。まさに大地を揺るがすほどの攻撃が繰り出された。 ≪ゼ、ゼノン……≫ 典太が言葉を失うほどの威力。 なんて破壊力だ。 シャークに視線を送ると、その足元から真っ直ぐ大地が裂けていた。 だが、まだ戦いは終わっていない。 レイドは咄嗟に自分に反発する力をぶつけ回避していた。
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