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砲撃が収まると少年は【ソレ】が居た処を見た。 そこに残っていたのは一つの青い宝石と倒れてる一匹の子狐だった。
「ふぅ……」
それを見た少年は一息吐くと、倒れてる子狐に近づき抱き抱えた。
すると籠手の右手の甲の処に埋め込んである蒼い宝石が少年に
〔マイスター虹次。取り敢えずジュエルシードを回収しましょう〕
「そうだな、レイヴェルト」
虹次は子狐を抱き直すとジュエルシードにレイヴェルトをかざした。
するとジュエルシードはレイヴェルトの中に吸い込まれた。
〔ジュエルシード、ナンバー2を回収しました〕
そうレイヴェルトが報告する。
ガサガサ
すると、虹次の後ろの草むらから音が聞こえ振り向くと
「クゥーン」
一匹の狐が居た。その狐は虹次が子狐を抱えているのを見ると、虹次に近付いて来た。
それを見た虹次は
(なるほど、この子狐の親か……)
と頷きながら納得すると、抱き抱えた子狐を親狐に渡した。
親狐は渡された子狐の襟首を器用にくわえると、虹次に向かって頭を下げて草むらに帰っていた。
それを見送った後、虹次はにやりと擬音が付きそうな笑みを浮かべながら夜空に向かって呟いた。
「さぁ……物語の始まりだ」
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