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はやて視点
ピッピッピ、ピッピッピ、ピッピッピ
目覚まし時計のアラームが朝だと教えてくれる。
私はもそもそ動いて布団から出て目覚まし時計のアラームを止める。 目を擦りながらさっき見た夢を思い返し呟いた。
「う~ん……変な夢やな……」
ベッドの横に置いてある車椅子に乗って一階に降りていく。
洗面所で顔を洗い、朝食を作ろうかと思いキッチンへ行くと、薄茶色髪の女性がエプロンを付け朝 食を作っている最中やった。
私はその女性に近付き
「おはよう、リニス」
挨拶する。するとリニスは手を止めて、私の方に振り向く。
「おはようございます、はやて。相変わらず早起きですね」
そう言うとリニスは此方に背を向けて朝食を作り始める。私は壁に掛かっとる時計を見ると時刻は6時45分。確かに早起きかもしれへんけど……
「私より早起きして朝食を作ってるリニスに言われてたくないわ」
「いつもより早起きしたので、たまには私が作ろうと思っただけです。それに虹次とはやてはいつも6時半頃に起きてるじゃないですか?」
背中を向けたまま言い返すリニスに対して、私は
「まぁ、私は小さい頃から早起きやったし、今じゃ習慣になってもうたんよ。それでリニス今日の朝食は何なん?」
「和食ですよ。焼き鮭に玉子焼き、漬物に味噌汁です」
そう言って朝食の献立を教えてくれるリニス。私 の質問に答えながらも手を止めず玉子焼きを焼い ているリニス。その手際は見事なものであっとい う間に美味しそうな玉子焼きが一つ出来上がった。
「そうなんや、何なら私も手伝おうか?二人で作ればすぐに出来るし」
「いえ、私一人で充分ですよ。いつもお二人が朝食を作ってくれているのですから、今日ぐらいはリビングで朝食が出来るのを待って居て下さい」
「そう?じゃあお言葉に甘えて今日は朝食が出来るまでゆっくりしとるよ」
そう言って私は車椅子を動かしてリビングに向かった。
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