第6話

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「あの年頃の子供たちは、小さな欠点にも失敗にも目をつぶれないぐらい繊細で敏感なんです」 「はあ……」 そんなもんだったろうか――。 25にもなると、もう忘れてしまった。 「その上なお悪い事に、あの子たちは群れをなして動きます」 「群れ?」 「そうです。影響力のあるリーダーがNOと言えば、群れは必ずそれに従います」 どこかで聞いたような話だった。 並んだキャンセルの赤い文字を見つめながら 「リーダーね……」 僕はなんとなく これはノアの仕業なんじゃないかと思った。
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