第6話 残酷な悪魔は二度笑う

第6話

その日の午後――。

悪びれずノアはやってきた。

「先生！白石先生……！」

窓の外に現れた美少年の姿を目ざとく見つけた美奈子が

慌てて僕の部屋へ駆け込んできた。

「私やっぱり、彼に惚れられてるのかもしれませんっ――！」

「なにをまた唐突に……」

見ればノアは胸に

色とりどりのコスモスの花束を抱いていた。