第6話

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正直僕は 花束を抱えたノアの姿に息をのんだ。 「失礼――」 そんな僕の気持を見透かしてか――。 ノアは立ち尽くす美奈子の前を素通りし 妖艶に微笑んで僕の目の前に満開の花束を差し出した。 「先生にあげたくて、クラブの庭で摘んだの」 ためらう僕の手をとり強引に花束を握らせる。 「綺麗でしょう?この間のお詫びだよ――」 耳元に囁くと そっと僕の手の甲を撫でる。 「失礼します」 あんぐりしたまま 美奈子はつまらなそうに部屋を出て行った。
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