第6話

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ご丁寧に 部屋のドアまできちんと閉めて――。 「どうなさったの?」 向かい合って座ると 長い脚を組んで、ノアは身動き一つしない僕を笑った。 言ってやりたい事はたくさんあった。 それなのに――。 「先に花を活けるよ」 僕は逃げる様に 彼に背を向けて立ち上がった。 「――そうだね。時間をかけて上手に活けて」 そんな僕を嘲笑うかのように 「僕と先生の時間はたっぷりあるからね」 ノアは声を躍らせた。
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