第6話

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「聞かないの?」 花瓶に水を汲む僕の後ろ姿に ノアが問いかけてくる。 「何を?」 僕はわざと何もなかったようにとぼける。 「分かってるでしょう?先生の予定が僕の名前で塗りつぶされているワケだよ」 その言い草。 自信にあふれた17の少年のお遊び。 そんな彼に踊らされる自分に ――なんだか無性に腹が立った。 「みんなが君に予想以上の興味を持つと思ったら大間違いだよ」 大人げない。 分かっていながらも僕は冷たく言い放った。
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