第6話

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「冗談なら、やめてもらえないか?」 僕は大きなため息をついた。 「冗談?なにが?」 「それだよ。僕をからかって困らせる事」 「先生、困ってらっしゃるの?」 いかにも意外そうな顔を作って ノアは官能的な唇を歪めた。 「困るだろ。君が何して僕の予定表を埋め尽くしたのか知らないけれど、本当にカウンセリングが必要な生徒だっているんだよ――」 伯父さんにはああ言われたけれど やっぱり黙ってノアの思惑どおり動くなんて 僕にはできなかった。 僕が大人になりきれてないからか。 それとも 彼に無関心でいられないからか――。
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