第6話

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(ん……?) ふと見ると 彼の髪に1枚 薄紅色のコスモスの花弁がのっていた。 いろいろ言ってるけれど。 僕のために 夢中で花を摘んできてくれたのは間違いなさそうだ――。 その姿を見ていたらなんだか。 大人げない反論をした自分が ちっぽけに思えて――。 すごく恥ずかしくなってくる。 「夢に出てくるような色男が、頭に花挿してちゃ興醒めだろ?」 僕は彼の髪についた花弁をそっと指先でつまみ取ると。 彼の御機嫌をとるように笑った。
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