第6話

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僕は思わず手を振り上げた。 男としてのプライド。 防衛反応。 それとも――。 脇の甘い自分自身にムカついてか。 「ダメダメ、殴ったら体罰。先生クビになっちゃうよ」 それでも僕の腕は 鋭い眼をした少年に軽々ねじり上げられてしまう。 殴るも何も 力では敵わないのだから、あきらめるほかない。 「……はなせっ!」 宙に浮いた手を憎々しげに引っ込める僕を見て ノアがにやりと笑った。
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