第6話

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「それに殴るほど――悪くなかったでしょう?」 前髪の隙間から僕を見上げる煽情的な瞳。 いやらしく舌なめずりする唇。 その瞬間 僕の中で何か――。 今まで抑えてきた感情が 音を立てて弾けた。 「このっ……!」 なりふり構わず拳を振り上げる。 しかし それよりも一瞬早く 「怒らないで、先生――」 ノアは軽業師のように身を翻し すでにドアノブを握っていた。
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