『雨の中の涙』

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──気が付いたら、ボクは柔らかくて暖かい場所にいた。 白くてフワフワしてる。 これが、天国なのかな? 寒くて震えていた体も、すっかり暖まり、ボクはグッと背伸びをしてみた。 「あ、起きた?」 突然降ってきた声に、ボクはビックリして飛び跳ねてしまった。 よく見れば、フカフカした綿みたいなものが足元を覆い尽くしている。 ここは、天国じゃないのかな? 「元気になってよかったよ」 また降ってきた声に、ボクは体を震わせて逃げる。 けど、何処にも逃げ場なんてなくて、ボクはようやく理解出来た。 ご主人様がいた部屋に似てる……。 けど、ご主人様の声じゃない……。 ボクは頑張って首を伸ばし、声の方を見上げてみた。
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