『雨の中の涙』

7/12
前へ
/14ページ
次へ
リードとかいう首輪とか紐はないから、ボクは初めて見る新しい場所にはしゃいでた。 ご主人様が焦りながらボクを追いかけて来るけど、すぐにヘトヘトになって壁に手を付いてる。 「ルイ。あんまり遠くに行ったらダメだぞ!」 汗だくになって、ようやく追い付いてきたご主人様に、ボクは嬉しくなってまた走り出す。 目の前には三つに分かれる大きな道が伸びている。 何処に行こうか悩みながら走るボクは、目の前が急に暗くなったことにビックリした。 その瞬間。 「ルイ!!」 ボクは宙に浮いた。 空が近くて、雲が掴めそうなくらい高く飛んだ。 下には黒い車が走っていく。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加