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真っ暗な家の中…。
食卓のテーブルの横には俺の父親が倒れていた。
幼った俺は、父親の近くに行き
そして体を揺すって声をかけた。
「こんなところで寝てると風邪引いちゃうよ…?」
「お父さん?」
それから何度も体を揺すったのに、父親は起きる気配すらなかった。
「まったく…仕方ないなぁ…」
不思議に思いつつも、俺は父親の手を引っ張り布団のところまで連れて行こうとした。
なのに…
それなのに…俺は自分で持った父親の手を放してしまった…。
それはとても冷たかった。
いつも暖かかったはずの手が…
体がいつも以上に冷たかった…。
それはまるで死んでいるかのように…。
俺はそれから何度も呼びかけ、何度も体を揺すった。
そんな中で、不思議なことに俺の後ろから声が聞こえた。
今思うと、あれはただの幻聴だったのかもしれない。
それでも、確かにはっきりとこう聞こえたんだ。
「どう…して?」
暗い中だったし幻覚かもしれないからこれは定かではない。
しかし、当時5歳程度だった俺には同じくらいの子供に見えたんだ。
そして俺はその子に質問したんだ。
「君は…誰なの?」
「お父さんは…どうしてこうなってるの?」
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