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すると、その子は何も言わずに走り去っていった。
その子に気を取られているときだった。
俺の後ろの方から物音が聞こえた。
「戻ってきて正解ですねぇ~一応頭にもう一発入れておこうと思いましたし…誰かに見れてもこれからの僕の人生に支障が出て困りますからね」
「カシャ!!」
「お…とうさん?」
俺は暗い中にいても、父親の頭部から血が出ているのが分かった。
俺は何も言えなかった。
何もできなかった。
悲しいはずなのに、涙も出ずに
逃げることも忘れて、ただ…
その場に立っていることしかできなかった。
「父親も殺したことですし…それじゃぁ、そろそろ死んでもらいますかね!!!!」
その男は確実に俺の頭に銃口を向けた。
銃口から放たれた弾は頭に当たった。
「俺…死ぬのか…」
そんなことを思っていると、だんだんと意識が遠のいていく中で男はこういった。
「恨むなら、あの子供とそれをかくまったあなたの父親を恨むんですよ…」
―――――――――まぁ…聞こえてはいないでしょうね。
男はそのままどこかへ消えていった。
ここから話すのは、祖父から聞いた話と俺が見たことを混ぜて話すことになる。
しばらくすると、俺は目が覚めたようだ。
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