初章(第Ⅰ話)

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5月22日午後1時10分国立病院 1人の男の子が生まれた(沙希斗) 同日時とある私立病院 1人の女の子が生まれた(沙希) 2人の家は偶然にも隣同士だった お互い家族同士での付き合いもあり 幼い頃はよく一緒に遊んだり一緒にお風呂に入ったり一緒に布団で寝たりしていた 丁度小学校に上がる頃お互いを少し意識し始めるようになった 運命のいたずらなのか?偶然にもクラスが一緒だった 小学校低学年の頃にはお互い気にせず仲良く一緒に家へ帰っていた 丁度中学年になりかけた頃 男友達同士の間で簡単な『好き』と言う意味での冷やかしが始まった クラスで班を組んだり遠足やリクリエーションの時には恥ずかしさを認識するようになった 運動会でのフォークダンスや体育ではプール、男の子と女の子を意識し始めた 偶然になった学校帰りの一場面 『ねぇ、最近なんか一緒に帰らないね』 『う、うん、○○君達と一緒に帰ってるから』 『ふ~んそうなんだ』 ちょっとした会話が恥ずかしくて直接顔が見れなくなっていく 小学5年生の頃部活で足を骨折して学校を休んでいると 『大丈夫?あたしに何か出来る事あったら遠慮なく言ってね』 少し嬉しい反面恥ずかしかった そして学校に行けるようになった時 『大丈夫?肩貸そうか?』 『い、いいよ、もう、みんな見てると恥ずかしいから、大丈夫だから、俺に構うなよ!』 その時に見せた沙希の表情は今までに見た事のない凄く悲しい表情をしていた 少しずつ心が成長すると共に周囲(世間)を気にする様になる そして小学校6年生の頃周囲では『初恋』や『好きな子』の話題で一杯になる 初めてお互いを異性として認識した時だった
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