第三宵

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目が覚めた …豪華な天井だ フカフカなベッドに寝たまま、私は数分ボーっと天井を眺める。あれ?なんで寝ているんだ?ここどこだ?起き上がって服装を見てみると紫のドレス。あぁ、思い出した 私はまた主に… そう思った途端にあの台詞も思い出してしまい、顔が熱くなる。平常心平常心… ガチャ ジル 「アルおはよう!」 アル 「ふぁ!?」 無理だ!! ドドドドドッ ジェシカ 「兄様ぁぁぁあ!!」 ジル 「なっ!?ぐはっ!」 ジェシカ 「接触禁止と言ったそばからっ…!!メイド達!連れていきなさい!!!」 「「「はいっ!」」」 ガシッ ジル 「また!?ア、アルまた来るからねー!」 ジェシカ 「次来たら期間伸ばしますわ!!」 ズルズルズル… …な、なんだったんだ一体 主を見事な飛び蹴りで捕らえたジェシカ様は、主の顛末を見届けると何事もなかったかのように話し始めた ジェシカ 「気分はどうです?アルさん」 アル 「えぇと…どういう状況ですか?」 とりあえずジェシカ様が身軽だという事は分かりました ジェシカ 「アルさんは今日から自由の身ですのよ」 アル 「自由の身?」 ジェシカ 「えぇ、好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな事をして…あの甲斐性なしなジル兄様の護衛なんてしなくていいのですわ!」 護衛しなくていい…? 主のそばにいなくていい? アル 「私は…私は、いらない…の、ですか…?」 目の前が真っ暗になる。主の…ジル様の護衛以外に私の存在意義はない。その為だけに私は生きて、主の名を呼ぶ。主は生きる為に私の名を呼ぶ。護衛でなくなるというのは、それがなくなるという事 …私はいらない
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