第三宵

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ジェシカ 「な、泣かないでくださいまし!自由といっても5日間だけですわ。残念ながら…で、ですから落ち込まないで!!」 アル 「…5日間?」 ジェシカ 「えぇ」 アル 「…私は…いらなくない?」 ジェシカ 「アルさんがいらなくなる訳ないですわ!」 …主に仕えてもいい? アル 「……よかった」 私がそういうと安堵のため息をつかれたジェシカ様。気を使わせてしまった…申し訳ない ジェシカ 「とにかく…今日から5日間、アルさんは自由ですわ。どこか行ってみたいところなどはありませんの?」 アル 「行きたいところ…」 言われて考える。少しして出てきたのは本屋と家具屋と服屋だった。その事を伝えるとジェシカ様は意気揚々と近くにあったドレスを手にとって私にあてがった………まさか ジェシカ 「一緒に出かけますわよ!さぁ、目立たないかつ可憐な格好になさらなくては!メイド達!!」 「「はい!ドレスもアクセサリーも準備できております!!」」 ジェシカ 「よろしい!さぁ……始めますわよ!!」 思い出すは昨日のあの地獄。いやだぁぁぁぁあ!! しかし主の妹君であるジェシカ様から逃げれるわけもなく…ああぁ、憂鬱だ 色とりどりのドレス、輝く宝石、むせかえる化粧品の匂い。あまり慣れていないので気分が悪くなる。ご令嬢方は何故平気なのだろう?不思議だ ジェシカ 「むむっ…悩むわ…髪はアップの方がいいかしら?」 「アップにしてこの髪飾りをつけるのはいかかでしょう!?」 「それならこちらの西洋から取り寄せた髪飾りがいいです!」 ジェシカ 「…そうね、そうしましょう。ならドレスももっと似合うものにしなければ…!」 …逃げたい。全力で逃げたい
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