第三宵

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しばらくしてやっと地獄が終了。ジェシカ様達が姿見鏡に写る私を見て「上出来だわ!」とキャイキャイしている。可愛らしい… 今回はクリーム色の控えめなドレス。髪は結われて、珍しい髪留めでとめられていた。これなら街に出ても目立たないだろう ジェシカ 「さぁ、馬車の準備よ!」 まぁ、ジェシカ様がいつも通り可愛い過ぎて意味がなくなってしまうが いそいそと準備をはじめるジェシカ様を見て私達がほのぼのとしている事に本人が気づく事なく、準備は進む 少し肌寒くなってきたのでボレロをジェシカ様に羽織っていただいてから馬車に乗って出発した アレイトス家から本屋・家具屋・服屋は馬車で10分程度のところにある。いつもは馬車嫌いの主に続いて馬に乗る為、馬車に乗る事は滅多にない 今は馬車の中にジェシカ様と私の2人きり。他の使用人達はもう一つの後ろにある馬車に乗っているので……気まずい。何を話せばよいのか分からない ジェシカ 「アルさん、とりあえず一番遠い所から参りましょう」 アル 「かしこまりました」 ジェシカ 「…敬語禁止ですわ!!」 アル 「えぇっ!?」 ジェシカ 「今の貴女は私のお友達のアルテシラ・ノトスですの!対等の人に敬語は使いませんわ!」 アル 「えっしかしっ…あのっ」 お友達、という言葉に思わず顔が熱くなる。あまりにも予想外で思わず狼狽えてしまった ジェシカ 《か、可愛い…!》 …あれ?ジェシカ様、何に悶えておられるのですか? ジェシカ 「とりあえず、敬語は禁止!」 アル 「か、かしこ「アル?」……わかっ…た…」 ジェシカ 「よろしい」 ジェシカ様、ドヤ顔になられると主に似ておりますね…とても可愛らしゅうございます。
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